前回は「弁護士」というテーマで、弁護士とはどんな人かを紹介をしました。
今回は、「弁護士会」です。「弁護士会」って、どんな組織か、すぐ思いつきますか?社会の中でどんな役割を期待されているか、知っていますか?
全国の都道府県で52の弁護士会があります。むっ?と思いませんか。全国の都道府県は47ですよね。なんで52の弁護士会があるのか?確かに原則的に各都道府県に弁護士会は1つです。が、弁護士会というのは弁護士法32条で、「弁護士会は、地方裁判所の管轄区域ごとに設立しなければならない。」と規定されています。そして、北海道には4つの地裁(札幌・旭川・釧路・函館)が設置されていることから、弁護士会も4つあるのです。
それでも、50にしかなりません。あと2つはどうなっているのでしょう。それはわが事務所もある東京都の問題です。東京都には、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会と三つあるのです。
東京に三つの弁護士会が存在するには歴史的理由があります。もともとは東京弁護士会しかなかったわけですが、その後に第一東京弁護士会が独立し、その後さらに第二東京弁護士会が東京弁護士会から独立していきました。東京で仕事をする弁護士は、どの弁護士会を選んでもよいわけです。
では、弁護士会はどんな組織で、どんな役割を果たしているのでしょうか。答えは、弁護士法31条に書かれています。「弁護士会は、弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩をはかるため、弁護士及び弁護士法人の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。」
ここには前回書いた弁護士の使命を全うさせるために、弁護士会が弁護士を指導連絡、監督すると定めています。昨今新聞でも話題になっていますが、弁護士の不祥事に対する懲戒処分などがその端的な例といえます。それだけではなく、「事務の改善進歩をはかるため」ということから、弁護士の研修をすることなども大きな役割となっています。
さらに、弁護士会には様々な委員会が存在し、憲法問題や性差別、犯罪被害者や高齢者障害者問題などを検討して、社会で発生する問題に対応できるよう研究検討をしています。私たちの事務所メンバーが所属する東京弁護士会は、特に日本で最大の規模の弁護士会として最先端の活動をしていると自負しています。