「弁護士」って、どんな仕事をしている人か、すぐ思いつきますか?社会の中でどんな役割を期待されているか、知っていますか?
弁護士の仕事ですぐに思いつくのは、刑事事件の弁護人、民事裁判や家庭裁判所での事件の代理人といったあたりでしょう。まさに、そうですよね。
では、弁護士は社会の中でどんな役割を期待されているか、ご存知でしょうか。答えは、弁護士法1条に書かれています。いわく、「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義の実現することを使命とする。」「弁護士は、前項の使命に基づき、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。」
いかがでしょう。かなり、立派なことが書かれています。我々弁護士は、この社会的使命を全うしなければなりません。
「基本的人権の擁護」はイメージしやすいですね。たとえば、財産権が侵害された、名誉を棄損されたので損害賠償の事件を担当する。このように、国民の権利が侵害されたとき又はされそうになったときに、その回復や予防のために事件を担当することです。
では、「社会正義の実現」とはどういうことでしょう。正義という言葉は、人ぞれぞれ、イメージすることが異なるのではないでしょうか。でも、それでよいと思います。一つの確定した正義などがあると、それこそ息の詰まる社会になってしまいます。弁護士それぞれが、各々の正義を目指すことを目標にしているのです。そうであってこそ、多様性のある社会が実現されていくのではないかと思っています。
このように、弁護士は、大上段に構えたような使命を背負って、日々、依頼者と一緒に事件を追っている人なのです。