■弁護士の探し方-弁護士柴垣

 何か困ったことが発生したとき、身の回りのひとから誰か弁護士さんを紹介してほしいと頼まれた時、知り合いに弁護士がいればその弁護士を紹介するか、またはその弁護士に相談して適切な弁護士を紹介してもらうこともできます。弁護士の数は、この30年でかなり増えました。それでも、地域にある診療所などほど法律事務所は身近な存在ではないです。

 それでは、どうやって弁護士を探すのが良いでしょうか?

 30年前、インターネットなどなかった時代ですが、そもそも弁護士は広告を禁止されていました。なので、知り合いがいないと、電話帳で調べてみるとか、機転が利く方で弁護士会の法律相談を受けてみるなどを方法しかない状況でした。

 そして現在まず思いつくのは、インターネットで検索をかけてみるということですよね。たくさんの法律事務所がホームページを作っていますので、検索にはヒットします。時代は変わりました。これは、まず2000年代に入って弁護士の業務広告が解禁されたことが一因です。

 さらには、弁護士紹介サイトのようなものもたくさんありますので、これを利用されることもあるでしょう。また、テレビやラジオで広告宣伝をしている事務所もあります。

 弁護士の広告といっても業務広告ですから、そこには集客のための誘因文言が記載されています。「○○に強い弁護士!」とか、お客様の声として「大変頼もしい弁護士でした」とか、「解決件数○○件」というように、その広告を見て連絡をしてみようかなと思うような勧誘文言があります。あとは、「24時間、365日相談できます」と書かれているものも散見されます。

 ところで、弁護士の業務広告は完全に自由ということではありません。やはり品位を欠く広告は禁止されています。弁護士会には業務広告に関する規程がありますので、それにのっとっている必要があります。さらには、当然のことですが、景品表示法などの法律に違反するものも許されていません。

 特に「専門」ということを表示することは、不適切であるとされています。その理由は、専門性をだれが判断するのか、どのような基準で判断するかが明確にならず、結果として弁護士を探している方に不利益となるからです。

 このような状況の中で、自分が相談してみたい弁護士を探さなくてはならず、これは決して簡単なことではありません。弁護士にとっては依頼事件の一つですが、相談者の方にとっては自分の一大事です。納得できるまできちんと弁護士の情報を集めてみてください。

2023年10月17日|HC通信(ブログ):弁護士 柴 垣 明 彦