■逮捕!そのときあなたは-弁護士清水

 自分や身近な人が逮捕されてしまった。どうしていいかわからない。弁護士にはそのような相談や弁護人の依頼が多くあります。
弁護士のサポートを受ければ、この先どうなってしまうのかという不安は解消されるでしょう。
 そこで、刑事事件の流れの概略をご説明します。

<逮捕とは?>
 逮捕とは、簡単に言えば、「(警察からみて)罪を犯したと疑わしい人を、短期間拘束して、逃げたり、証拠隠滅をしたりしないようにすること」です。
 逃げられたり、証拠を隠滅されてしまうと、裁判にかけるべきかどうかの判断や、裁判そのものに支障があるため、一時的に拘束するのです。
 罪を犯した人であっても、逃げたり証拠隠滅のおそれがない人については、逮捕する必要がありません。逮捕されずに刑事裁判にかけられる人も多くいます。
 また、逮捕されたからといって、犯人(有罪)とは限りません。
 「警察からみて疑わしい」ということであって、逮捕されたということからただちに「犯罪をやったんだ」と単純な結論にはなりませんので注意しましょう。
 逮捕によって拘束される期間は、最長で72時間(3日間)です。

<被疑者勾留~逮捕の後の拘束期間~>
 被疑者勾留とは、逮捕された人について、「この人について裁判をするかどうか判断するあいだ、この人が逃げたり、証拠を隠滅したりしないように、もうしばらく拘束しておこう」という制度です。
 これによる身体拘束は、10日間が原則ですが、延長されて20日間にも及ぶことが大半です。また、勾留されたまま起訴(裁判にかけられること)されれば、被疑者勾留から「被告人勾留」に切り替わって拘束が続きます。
 弁護人以外の人が面会できるのは、一日に一人、それも15分間までと厳しく制限されています。面会受付時間は警察署により異なりますので、留置先の警察署に確認してください。
 また、裁判所が「接見禁止」の命令を出した場合には弁護人以外は面会できません。

 ところで、被疑者勾留は、検察官が請求し、裁判所が許可を出します。
 そのため、弁護人としては、
   ・検察官に勾留を請求させない
   ・裁判所に許可を出させない
   ・裁判所の許可決定を争う(準抗告)
 等のための活動をして、勾留を阻止できる場合があります。

<逮捕されたら?>
 逮捕されている間は、弁護士以外の人と面会できることは多くありませんから、 すぐに弁護士を呼びましょう。警察の取調べの対応についてアドバイスを受けたり、被疑者勾留を争って一刻も早く解放されるためには、弁護士の支援を受けることが不可欠だからです。
 私の経験にも、裁判所に意見書を出し、裁判官と面接などして、被疑者勾留を阻止し、依頼人を早期に帰宅させることができたケースがあります。
 逆に、同様の事案であっても弁護士がついていないと、安易に被疑者勾留へと身体拘束が続くことになります。
もちろん、弁護人がどんなに頑張っても勾留されてしまうケースもあります。検察官は公益の代表者ですから、本来は検察官のほうで、勾留すべき事案とそうでない事案をきちんと区別して勾留請求するかどうかを判断すべきですが、私の肌感覚で言うと、そうなっているとは言い切れない状況のようです。

<弁護士ってどうやって呼ぶの?>
・当番弁護士制度(依頼できる弁護士がいない場合)
 依頼できる弁護士がいない場合には、警察官に「当番弁護士を呼んで欲しい」と伝えましょう。
 当番弁護士制度とは、弁護士が、逮捕された人に、無料で面会に行く制度です。
 無料は初回だけですが、弁護士と面会することで、事件のことに限らず、費用負担を少なくしながら弁護士の支援を受け続けられる制度(国選弁護制度や被疑者弁護援助制度など、いろいろな制度があります)を利用できるか等、様々なことについてアドバイスを受けられます。
 また、当番弁護士の派遣については、家族からの依頼も受け付けています。
 東京で逮捕されてしまった場合は、東京三弁護士会の刑事弁護センター(TEL:03-3580-0082)にご連絡ください。
 その他の地域については、下記のリンク先をご参照ください。
https://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/reforming/kokusen_touban/keiben_c.html

・依頼できる弁護士がいる場合
 ご自身が逮捕された場合、警察官に「この弁護士を呼んでください」と伝えます。
 ご家族・知人等が逮捕された場合なら、直接その弁護士に連絡をとって、逮捕された人が留置されている警察署に面会に行ってくださいと伝えるといいでしょう。
 ただし、弁護士にも都合がありますから常に警察署に駆け付けられる態勢にあるわけではありません。緊急性がある場合には、とりあえず当番弁護士を呼ぶという方法もあります。

(清水 皓貴)

2018年09月25日