■亡くなられた直後(14日以内)に行う必要がある公的手続-弁護士岩田

1 はじめに

 人が亡くなられた後遺族が行うことになる公的手続は「死亡診断書・死亡届の提出」、相続税の申告など様々です。

 手続には期限が定められているものも多くあります。しかし、事故等で突然お亡くなりになられた場合など手続を事前に調べる余裕がなく、亡くなられた直後も葬儀の準備等によりいつの間にか手続期限を過ぎてしまう事態も予想されます。

 そこで今回は亡くなられた後に行う主な公的手続のうち、特に早急な対応が必要となる
 ①期限が原則として亡くなられた日から7日以内となっている手続
 ②期限が原則として亡くなられた日から14日以内となっている手続
 の2点について、基本的な点をご説明いたします。


2 ①期限が原則として亡くなられた日から7日以内となっている手続

(1) 死亡診断書または死体検案書・死亡届の提出

 死亡届を届出義務者が、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡があったときは、その事実を知った日から3ヶ月以内)に提出する必要があります(戸籍法第86条1項)。同居の親族・その他の同居者等が届出義務者として定められています(同法第87条)。
 死亡診断書または死体検案書の用紙には「死亡届」と書かれた部分があります。記入の上、死亡地・本籍地又は届出人の所在地等の市区町村長(役所)に提出します。後日年金に関する手続等で使用しますので、提出前に何部か写しを取られると良いでしょう。

(2) 火葬許可申請書の提出

 火葬等を行う際には市区町村長の許可を受ける必要があります(墓地、埋葬等に関する法律第5条)。法律上期限は定まっていませんが、許可がなければ火葬等ができないため(1)の死亡届等と一緒に提出することがほとんどです。交付された許可証を火葬等が行われる際に施設側に提出します。
 なお、(1)(2)の手続については、届出義務者による履行が難しいなどの理由から、葬儀社が代行する場合もあります。時期によっては式場の霊安室確保が必要となることもありますので、葬儀社への連絡の際その点も確認されるとよいでしょう。

3 ②期限が原則として亡くなられた日から14日以内となっている手続

(1) 年金の受給停止手続

 亡くなった方が国民年金を受給していた場合には亡くなってから14日以内に受給停止の手続を行う必要があります(国民年金法第105条4項、同法施行規則第24条、第38条、第53条、第60条の8)届出義務者は死亡届の場合と同様に、戸籍法87条に定められた者になります。「ねんきんダイヤル」または年金事務所に連絡をすると必要書類等の説明を受けられます。

(2) 健康保険等の資格喪失手続

 国民健康保険の被保険者資格者が亡くなった場合、保険証を亡くなった日から14日以内に返還することとされています。返還先は市区町村長です。
また、後期高齢者医療制度を利用している場合も、保険証を返還することとされています。

(3) 介護保険の資格喪失手続

 介護保険の被保険者が亡くなった場合も、保険者証を亡くなった日から14日以内に返還することとされています。返還先は市区町村長です。手続後、払い過ぎた費用がある場合には後日還付されます。

(4) 世帯主変更届の提出

  世帯主が亡くなった場合住民基本台帳法第25条により亡くなった日から14日以内に変更届を提出する必要があります。届出先は世帯がある住所地の市区町村長です。世帯主が亡くなっていても届出が不要となる場合があります。窓口で確認されると良いでしょう。

 

4 まとめ

 亡くなられた後の手続については、役所や葬儀社等から説明があるものの、いざという時に手続の優先順位が分からなくなってしまう場合も多いと思います。
 人が亡くなられた時こうした手続をまず行うことが求められることを、頭の片隅にでも置いていただけますと幸いです。

(岩田 朋子)

2020年06月26日